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「訪問看護指示書」の落とし穴~指示書が届いたらまずココをチェック!【武井No.17】

とまと訪問看護リハビリステーションの武井です。

先回に引き続き、訪問看護指示書について書いていきます。

今回は指示書が届いたらチェックすべきことをまとめてみましたが、先回の「訪問看護指示書」の落とし穴!~指示書の種類とそれぞれの注意点」と併せて読んでいただけるとよりわかりやすいと思います。

 

■細心の注意をはらいたい「氏名」「生年月日」

当然ですが、これが間違っていると正式な書類になりません。

訂正が必要になった場合、時間のロス=訪問開始が遅れる=事業所の経済的損失が発生 といった事態もおこります。

でもこれ、間違ってることがあるんです。実際。

なので何度見直しても見直しすぎではないと声を大にして言いたいです。

■意外と見落としがちな「指示期間」

訪問看護指示書の指示期間は「6ヶ月以内」です。日付をしっかり確認しましょう。

ここでの落とし穴は「元号」。それほど頻繁にあることではないですが、元号がまたぐ時には注意です。

■21年4月の改正で記載が必要になった部分

介護保険適用の訪問リハビリの場合、以前は「リハビリ」にチェックがはいっているだけでよかったのですが、2021年4月の制度改定で、「介入職種」「介入頻度」「一回あたりの時間」などの記載が必要になっています。

指示書を依頼する時にもこれらの項目を伝えるようにしましょう。

■保険の種類に関わってくる「疾患名」

指示書に記載されている疾患名によって、介護保険/医療保険のどちらが適用になるかが変わることがあるので要注意です。

医療保険適用と介護保険適用では、訪問看護リハビリステーションの契約書も異なります。

また、高額医療費助成制度などにも関わってきて、利用者さんの負担額にも関係する部分なので重要です。

 

<適用保険の種類に関わるため、注意すべき疾病>

○特定疾病(16特定疾病)

通常介護保険を使えない年齢でもこの「特定疾病」の場合は介護保険が適用になります。

1.がん≪がん末期≫(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)

2.関節リウマチ

3.筋萎縮性側索硬化症

4.後縦靭帯骨化症

5.骨折を伴う骨粗鬆症

6.初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)

7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病    ≪パーキンソン病関連疾患≫

8.脊髄小脳変性症

9.脊柱管狭窄症

10.早老症(ウェルナー症候群)

11.多系統萎縮症

12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

13.脳血管疾患(脳梗塞、脳出血等)

14.閉塞性動脈硬化症

15.慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)

16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

○別表7の疾病

通常は介護保険が優先される人でもこの表の疾病に該当すると医療保険適用になります。

1.末期の悪性腫瘍

2.多発性硬化症

3.重症筋無力症

4.スモン

5.筋萎縮性側索硬化症

6.脊髄小脳変性症

7.ハンチントン病

8.進行性筋ジストロフィー症

9.パーキンソン病関連疾患

進行性核上性麻痺

大脳皮質基底核変性症

パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)

10.多系統萎縮症

線条体黒質変性症

オリーブ橋小脳萎縮症

シャイ・ドレーガー症候群

11.プリオン病

12.亜急性硬化性全脳炎

13.ライソゾーム病

14.副腎白質ジストロフィー

15.脊髄性筋萎縮症

16.球脊髄性筋萎縮症

17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎

18.後天性免疫不全症候群

19.頸髄損傷

20.人工呼吸器を使用している状態

 

特に注意したいのが、パーキンソン病です。症状の度合いによって介護保険適用か医療保険適用かが異なります。

■「リハビリ内容」と医師からの注意点も熟読を

ここで「訪問リハビリあるある」は、屋外歩行に関すること。

訪問看護からのリハビリの場合、屋外歩行は基本禁止です。ただし医師からの指示があればできるので、指示書に「屋外歩行可能」と書いてあるかどうかは要チェック。

 

また初回訪問時には、医師の指示内容の再確認を。例えば、「心臓疾患があるので胸部症状がでたらリハビリは即中止」というような注意が書かれていることもあります。

■複数の事業所が介入している場合は2つのチェックポイントが

例えば、とまと訪問看護リハビリステーションでリハビリを、他の事業所で訪問看護をというように複数の事業所が介入している場合は、以下の2つをしっかりチェックしましょう。

 

◇他の事業所からの訪問があることが明記されているか

あり/なし の「あり」にチェックが入っていて、事業所名が記載されている必要があります。

 

◇他の事業所からの訪問に関しても同じ医師が指示書を出しているか

他のステーションからの訪問看護は内科の主治医が指示書をだしていて、とまと訪問看護リハビリステーションからの訪問リハビリについては、整形外科の主治医が指示書を出す というのはNGです。

 

利用者さんが、

・他にどんなサービスを利用しているのか

・他の訪問看護ステーションが入っている場合はどこ(医師、医療機関)から指示書がでているのか

をケアマネージャーさんに確認しておくと安心です。

 

■おまけ~訪問看護指示書の依頼は日数的に余裕をもって行いましょう!

指示書類は主治医に依頼してもすぐにいただけるとは限りません。

概ね2週間みておけば大丈夫だと思いますが、お盆や年末年始をはさむときは要注意です。そのほか学会シーズンで主治医が留守になることや、医療機関によっては、「依頼書は受診時にもってきてもらってください」と言われることなどもあるので、依頼は余裕をもって行うようにしましょう。

忙しいからといって後回しにしていると、非常に困った事態になってしまうことも。指示書の依頼は絶対に後回しにしてはいけません。

 

すぐにリハビリを始めて欲しいといわれている場合などは、指示書を依頼する時にその旨を書き添えておくと良いでしょう。

 

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書類仕事は面倒ですが(個人的にはとても!)、とにかく、指示書に不備があると訪問ができなくなるということを肝に銘じておくことが大事だと思っています。

 

まだまだ寒い日が続きますが、春はもうすぐ… と思いながら明日も訪問リハビリをがんばります!

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