とまと訪問看護リハビリステーションの武井です。
クラスターメディカルでは最近、youtube(https://www.youtube.com/channel/UCM7cYu6uZZ5afInj1OQ14jg)もUPしているのですが、ご覧になったことありますか? 私も出演(?)しているのですが、できあがったものをみてびっくり!
youtubeの私はにこやかにテンポ良く話していますが、実際はかなりしどろもどろになる場面も多かったのです。それがこんな風に仕上がるなんて、本当に動画編集技術って凄いな~と感心しました。
さて、今回はプロの訪問リハビリの技、というか、心得のひとつ「利用者さんのご家族との関係」について書いてみたいと思います。
○なぜご家族との関係性が重要か
訪問リハビリでは、利用者さんとの関係だけでなく、利用者さんのご家族との関係もとても重要です。
ご家族は、カルテに書かれていない利用者さんの性格や習慣などを把握されており、また、同居の場合、利用者さんの身体の小さな変化についてもご本人や医療従事者より先に気がつかれることも多々あります。
たとえば、ご家族が「最近気になるけど相談するほどでもないかな」と思ってらっしゃることが実は医療的に重要な情報だということもあり得るのです。
限られた時間だけ利用者さんと接する理学療法士にとって、利用者さんについて多くの情報をもってらっしゃるご家族と良い関係を保つことはより良いリハビリに直結するといっても過言ではないでしょう。
○ご家族に余裕ができると利用者さんに良い影響が
たとえば同居のご家族が過労で倒れられると一番困るのは利用者さんです。
訪問リハビリにおいては、「利用者さんを守るためにご家族を守る」という考えを根底にもっていることも大事です。
実際、理学療法士ができる範囲でご家族の困りごとを解決して、ご家族に身体的、精神的な余裕ができると、利用者さんに良い影響があります。
また、利用者さんの体調を気遣うのと同時にご家族の体調にも注意していると、危険を早く察知できることも。これはとまと訪問看護リハビリステーション内であった事例ですが、介護している奥さんの様子がいつもと違うなと感じて、別居しているご家族と連絡をとったことで、大事に至るのを防げたということもありました。
普段からご家族に「こういうやり方だと楽ですよ」と介助の方法などをアドバイスしたり、リハビリを行っている間は別室で横になって休んでもらうようにしたりするのもいいですし、愚痴を聞くだけでも精神的に楽になってもらえるかもしれません。
そういう「気遣いの技術」も訪問リハビリの技術のひとつだと思うのです。
○ご家族の思いに寄り添うことからはじめよう
利用者さんのご家族から気になることや困っていることを気軽に相談してもらえるようになれば、より効果的に訪問リハビリが行えるようになるでしょう。
最初は雑談でもいいんです。リハビリとは関係のない話や介護の愚痴といったご家族の本音の中に、今後のヒントにできることが見つかることもよくあります。
そしてキーパーソン(主介護者)のご家族だけでなく、できればほかのご家族の思いを知ることも大切です。
たとえばご主人が訪問リハビリを受けている場合、本人、キーパーソンである奥さん、子どもさんたちの思っていることや考えがそれぞれ違うということもあるので、訪問リハビリを行う時には、「ひとつの家庭」として見ていく必要があります。
私は、家庭の中の状況を俯瞰した上で、困りごとがどこにあるのかを情報収集していくのも訪問リハビリならではの仕事だと考えています。
ご家族が利用者さんに知られたくない話をしたいときもあるでしょう。そういう時は、帰り際に玄関で話す時間をとるというような配慮を。逆に、ご家族が利用者さんに「話を聞かせたい」場合もあります。ご家族が疲れていて、あるいはそれぞれの思いがこうじて、リハビリ中に本人と家族が口論になってしまう場面も「訪問リハビリあるある」かもしれません。
そんな時はとりあえず本人やご家族の思いをしっかり受け止めた上で、医療者として客観的な説明をしていくことが有効です。この具体例は次回のブログで書きたいと思います。
次回は「利用者さんのご家族との関係がうまくいけば訪問リハビリがうまくいく!」その2 として、参考にしていただけるような私の失敗&成功例を書く予定です。