とまと訪問看護リハビリステーションの理学療法士・武井です。
最近は訪問リハビリにでかける時も、身を切るような寒さを感じることはなくなり、少しずつ春が近づいてきているのを感じます。
さて、今回は「利用者さんのやる気を引き出すコツ」の3回目。
利用者さんのご家族のことや、訪問リハビリが思うように進まない時の打開策について書いてみたいと思います。
■時には利用者さんとご家族の橋渡し役に
訪問リハビリでは利用者さんだけでなく、利用者さんのご家族に会うことも多いです。
そんな時、利用者さんと同居のご家族の間に溝ができているのが感じられることも。
例えば、訪問した時にご家族が「甘えてばかりで私が起こさないとベッドから起きない」とか「自主トレーニングをまったくやりません。怠けてます」などと訴えられたとします。でも実際はなにか症状があって起き上がりにくくなっていたり、トレーニングをしたくない状況なのかもしれません。そのため私は双方からお話を聞くようにしています。
その上で、ご家族には利用者さんの状態を時にはiPadで図をみせるなどして丁寧に説明します。逆に利用者さんには、「回復して欲しいと願うあまり、つい強く言ってしまう」というご家族の思いを伝えるなどして、橋渡し役を務めることもあります。
私たち訪問リハビリスタッフを介して双方の思いが共有できることで、安心感から利用者さんのやる気が引き出され、リハビリがスムーズに進む可能性が高くなります。
■行き詰まった時には「他の視点」を取り入れる
訪問リハビリを続けていると、時にどうしてもうまく進まず、利用者さんのやる気も失せがちになって悩んでしまうことがあります。
そんな時に私がおすすめしたいのが、「他の視点を取り入れる」ということです。
訪問リハビリの利用者さんには基本、担当のケアマネさんがいます。また、デイサービスや福祉用具を利用されている方も多いです。
リハビリスタッフとは違う職種、事業所ですが、これらの関係者に相談することが現状打開に役立つこともあります。
たとえば、以下のような事例も参考になるのではないでしょうか。
ケアマネさんに相談→デイサービスの回数を増やす→利用者さんが気分転換でき、運動量も増える→訪問リハビリとの相乗効果
福祉用具業者に相談→訪問リハビリ時に状況をみてもらう→使用中の用具が適切かどうかの確認、新しい用具の導入など→訪問リハビリの効果UP
これまで3回にわたって訪問リハビリスタッフの立場から「利用者さんのやる気を引き出すコツ」を書いてきました。この中のいくつかでも読んでいただいた方のお役に立つことがあればとてもうれしいです!