とまと訪問看護リハビリステーションの武井です。
新年度が始まって1ヶ月余り。若葉が美しい季節になってきましたが、案外気温差もある時期ですので体調を崩さないよう気をつけたいものです。
今回は「電カル化」-つまり電子カルテの導入について書いてみたいと思います。
■電子カルテについて
「カルテ」とは患者様や利用者様に関する情報を記録・保管するもので、それをパソコンやタブレットなどで記録・保管するものが「電子カルテ」です。
現在、病院やクリニックでは電子カルテを導入しているところがほとんどになってきており、とまと訪問看護リハビリステーションのような、訪問看護ステーションでも電子カルテを導入している事業所が増えてきました。
■実はクラスターメディカルの「電カル化」、ダメダメでした
とまと訪問看護リハビリステーションでは、オープン当初から電子カルテを導入しています。「iBow」というシステムです。
それなのに、なぜ今さら「電カル化」なのかといえば、システムはあるけどそれがうまく運用できていなかったからです。
電子カルテ導入直後は、その仕様に従って、各スタッフが電子カルテに日々の訪問の記録を入力し、情報の管理も電子カルテを通じて行っていました。
しかし、タブレットでのタイピングが苦手なスタッフは訪問中に記録を打ち込むことができず、訪問後に記録することが溜まって負担になっていたことや、利用者様宅に記録を残すために別にノートを用意してそちらにも記載が必要だったりと、現実的にいろいろな問題が起こってきたのです。
そのため、訪問時の電子カルテへの直接入力は中止して、記録用紙に利用者様の状態を手書きで記載し、電子カルテへは記録用紙の写真を載せるというやり方で情報の共有を行うというやり方に変更していました。
ところが、血圧や体温などのバイタルサインは電子カルテへの直接入力も行っていたため、記録用紙と電子カルテいずれかの記載ミスによる相違が発覚して確認作業にも時間がかかったりすることも頻発。また、そもそも記録用紙を事務所に戻しに来る必要もあり、この作業もスタッフの負担になっていたのです。
このような経緯があり、ついに今年2022年から、「使える電子カルテ」を目指した取り組みをスタートさせることになりました。
■クラスターメディカル本気の電カル化計画始動!
今年1月から完全電カル化に向けて動き出し、2月には看護師、リハビリ職、事務職など全職種からなる「電カル化チーム」を結成。それぞれの業務の視点から問題点や課題を探し、明確にしていくことを始めました。
そして、3月から改めて電子カルテでの記録入力を再開しています。
以下は、問題点を解決するために私たちが行ったことの一部です。
○電子カルテで使うタブレットとして、iPadを一人一台貸与されているが、タブレットでのタイピングが不安との意見も多かったため、少しでも楽になるようキーボード付きタブレットケースを購入した。
○iBowは利用者様の状態を選択形式で入力する事ができ、更に観察項目も自由にカスタマイズできるようになっている。そのため、電カル化チームが中心となって必要な観察項目を検討し、タイピングによる入力を極力少なくするようにした。
○一気に電子カルテでの記録入力に変更することはせず、5月末までは慣らし期間として最低1日1件分の電子カルテでの記録入力を開始。徐々に1日の電子カルテ入力件数を増やしていき、6月に完全電カル化するというスケジュールを立てた。
現況は、タイピングが苦手なスタッフも頑張ってくれていて、ほぼ全記録が電子カルテでの記録入力となっています。
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今回は、クラスターメディカルの電カル可について、過去のうまく利用できていなかった状況と、会社一丸となって現在進行中の「新生電カル化」について書いてみました。
電子カルテの運用について悩んでいらっしゃる事業所などの方の参考になればとてもうれしいです。
次回は、訪問看護リハビリステーションにおける電カル化のメリット、デメリットについて、私が感じている電カル化への思いをあわせて書いてみたいと思います。