クラスターメディカル薬剤師の松浦です。
今回は先回に引き続いて、往診同行する薬剤師にとって役立つアイテムを紹介します。
前回紹介したアプリなどは利用している薬剤師さんも多いと思いますが、今回は私が個人的に活用している資料についてもご紹介します。
○錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック
その錠剤は粉砕可能か、また中身だけを服用してよいカプセル剤なのかといったことが調べられる書籍です。
往診の時に看護師さんから「この方、嚥下機能がおちてきています」と報告があると、先生から「ではこの錠剤は粉砕しましょうか?」という提案があったりします。そんな時はこのハンドブックで調べて、できるものは粉砕で対応、できないものは別形状の代替薬を提案します。
同時に、その薬は嚥下機能が落ちているような状態の方にも服用し続ける必要があるのかという点についても調べて先生に伝えることもあります。
ただこの本はかなり分厚くて持ち歩きにくいため、私は店舗にある本で調べてもらうよう頼むことが多いです。
また、改訂までは新しい薬が反映されないため、掲載されていない薬に関しては添付文書で錠剤の構造を確認して粉砕可能かどうかを判断することもあります。
○個人的にそろえた資料
往診同行の時、私は各地方の薬剤師会や病院の薬剤師が情報をまとめている資料をプリントアウトして携帯しています。
例えば、往診の時に先生が手書きした処方箋が「ニフェジピン」という一般名処方でかかれていた場合、薬はニフェジピン、ニフェジピンL、ニフェジピンCRのどれなのかがわからず誤りの元になります。
こういった規格を間違いやすい薬をまとめた旭川薬剤師会の資料はとても役に立っています。
また、病院の薬剤部が作成した「金属カチオン含有製剤の相互作用の一覧」的な資料も有用です。
こういった情報についてはもちろん日々勉強をしていますが、さすがにすべてを覚えていることはできません。そのため往診同行時に資料を携帯していれば、薬が追加になった時などすぐに調べることができるので安心です。
そのほか、スムーズな往診同行のために、以下のようなことも心がけています。
・施設の看護師さんと話していて「○○さん、嚥下機能下がってきてるかも」というような話がでたら、その時点で粉砕や代替薬について調べておき、先生に聞かれたらすぐに情報を提供できるように用意しておく。
・新しく入居された方に珍しい薬が処方されていることに気がついたら、実際に服薬介助などをしてくださる看護師さんに説明できるようにしておく。
これから「往診同行」業務に関わる薬剤師さんの参考になれば幸いです。
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新年度から私にも後輩ができて、これまでの「教わる立場」から「教える立場」になりました。
私が今まで先輩に教えてもらったこと、仕事をしていく中で学んだこと、たとえば往診同行についても、注意点や円滑に進めるためのヒントなど、さまざまなことを後輩に伝えていきたいと思っています。