クラスターメディカル薬剤師の清水紀恵です。
春といえば花粉症の季節。私自身は花粉症はないのですが、今シーズンは症状が強くでている方が多いように感じています。また今年は気候不順なこともあり、つらい症状がいつまで続くかわからなくて不安だという方も多いでしょう。
今回は、薬剤師の立場から花粉症について書いてみたいと思います。
■花粉症になったら基本は受診を
花粉症は同じ花粉が原因でも人によって症状が異なることもよくあります。そのため、自分の花粉症がどのようなタイプなのか(何に反応しているのか・どのような症状が強くでるのかなど)を知った上で治療していくことが大切ですし、そのためには耳鼻科、アレルギー科などを受診することが必要です。
でも春の花粉症は、年度末~新年度という時期と重なることもあって、忙しくてなかなか受診できず、市販薬を服用してなんとか乗り切っているという方も多いのではないでしょうか。
そんな方にはぜひ、花粉症のお薬について知っていただければと思います。
■花粉症の薬の主成分 抗ヒスタミンについて
花粉症の薬の成分は基本、抗アレルギー薬である抗ヒスタミンです。そしてこの抗ヒスタミンには第一世代、第二世代という2種類があります。
第一世代:効果が強い。ただし強い眠気などの副作用がある
一般名:クロルフェニラミン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミンなど
第二世代:現在主流となっている抗ヒスタミン。眠気はあまりでない。
一般名:エピナスチン、エバスチン、セチリジン、ベポタスチン、フェキソフェナジン、オロパタジン、ロラタジン、レボセチリジン、ビラスチン、デスロラタジン、ルパタジンなど
※「一般名」とは薬の有効成分の名称で、商品名とは異なります。薬を成分で選びたい時は、「一般名」をチェックしましょう!
クリニックや病院では、症状に応じて第一世代、第二世代を混合した薬を処方することもありますが、市販薬の場合、効果の高さや持続性、副作用の少なさから、第二世代の抗ヒスタミンを使ったものがおすすめです。
といってもややこしい一般名は覚えなくて大丈夫。現在、花粉症薬として販売されているものはほぼ第二世代の抗ヒスタミンが主成分ですし、薬局でもそちらをすすめてくるでしょう。でも心配なら「第二世代の抗ヒスタミンですよね?」と確認してみてください。
■花粉症の市販薬はそれぞれ違う成分が使われている
先に第二世代の抗ヒスタミンの一般名をずらっと書きましたが、実はこのそれぞれに「商品名」があります。つまり第二世代の抗ヒスタミンが主成分といっても商品ごとに使われている成分が違うのです。
たとえば、アレジオン(エピナスチン)、アレグラ(フェキソフェナジン)、ザイザル(レボセチリジン)、ルパフィン(ルパタジン)といった感じですね。ですから効果についても「花粉症の薬だからどれでも同じ」というわけではありません。もちろん「高価なものほど効く」ということもありません。
大切なのは【自分の一番つらい症状に効く薬】を選ぶことです。
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「市販の花粉症の薬なんてどれも似たようなもの」と思いがちですが、実はかなり違いがあるということをわかっていただけたでしょうか。
次回は、自分に効く花粉症の薬を選ぶにはどうすればよいのかについて書いてみたいと思います。